5〜9日目:体勢の立て直し




「ゲートを閉じたのか。君ならやってくれると思った!」
Matiusは私の生還と任務の成功を喜んでくれた。彼自身も相当疲れきっているようだ。
私とMatiusはこれからの作戦を立てた。作戦と言っても、Matius以外のKvatch兵はもう生き残っていないし、私自身も相当消耗している。



そこで、Kvatch突入前に体勢を立て直させてもらうことにした。Kvatch突入を延期する事に関しては、Matiusはしぶしぶながらも承知してくれた。
「あまり長くは待てないぞ。奴らに城門を塞がれたら、突入はできなくなる」




それから私は各地をまわって魔術師ギルドの推薦状を集め始めた。最初に魔術師ギルドに加入した際、本部の魔法大学ではオリジナルの魔法を作れる、という事を記述された本を読んだのを思い出したのだ。




各地の街の魔術師ギルドは、訪問されていきなり推薦状を書くほど甘くは無い。私は早急に推薦状が手に入るように様々な仕事を引き受けた。
時には他人の家に盗みに入ったり…。




時には遺跡に侵入して住んでいた盗賊たちを皆殺しにし…。




時にはかくれんぼを眺めていたりと、まぁ色々やった。






〜三日後〜







そして長い道のりを経てようやく私は全ての推薦状を得て魔法大学に入学することができた。
魔術師評議会のメンバーであるRaminus Polusが祝福し、魔法大学生の証であるローブを授けてくれたがまだ私には急いでやらねばならない事がある。




これが自分でオリジナルの魔法を作ることができるAlterのようだ。市販の魔法は効果が抑えられている上に受講料も高価だが、これなら自分の能力の限界まで引き出す魔法を作る事ができる。




…しかし私の場合、そもそも魔術の能力が未熟だったようだ。例えば消耗マナを抑えた接近戦用攻撃魔法を作ろうとしたのだが、どう調整してもSkingradで教えてもらった低級ファイアーボールの二割増し程度の威力しか引き出せなかった。これならまだ、遠くからファイアーボールを連発した方が効率的だ。




結局、私が作った魔法は
○Good Comunication : 5秒間だけ触れた対象と親友になれる。(友好度+100)
○Honki Stealth : 5秒間だけ隠密の達人になる。(隠密スキル+100)
○Learn of 〜 : 練習用魔法。(消費マナを抑えた簡単魔法です)
○Regeneration Lv1 : 30秒間、少しずつ体力を回復する。(HP+3 × 30秒)
と、攻撃というよりは補助的なものが中心となってしまった。




だが新しくしたのは魔法だけではない。各地をまわりながら装備も新調した。精巧な造りのエルフ製ロングソードに、どんな攻撃も受け止めそうな巨大なタワーシールド。ガントレットやブーツもより上質なものと交換している。治療薬もたっぷり用意したし、これで充分あの怪物どもと渡り合えるはずだ。




三日も待たせてしまった割には、Matiusは私の到着をにこやかに出迎えてくれた。
「準備はできたか?我々はチャンスがあるうちに、街に突入しなければならない」
私の準備は完了した。後は街中の怪物を一掃し、Martinを救出するだけだ。Matiusは剣を抜き、城門へ走り出した。
「Kvatchのために!!」
私も新しい剣を抜き、後に続いた。