Cataclysm DDA レビュー
■タイトル:Cataclyssm Dark Days Ahead
■ジャンル:RPG
去年の冬からプレイし始めて早2カ月。400時間ほどプレイしてようやく熱が落ち着いてきたので、まわりへの言いわけ用&布教用にレビューしてみます。
【概要】
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元々は大洪水からの生存を目指したローグライクRPGで、これはそのバリアントつまり別の作者による発展版となります。海外のフリーゲームですが、有志の方々によりほとんど日本語化されています。
安定版と開発版の2種類が公開されていて、安定版の最終更新日は2015/03辺りですが、開発版は1日に3回はアップデートされるという成長性ハンパない更新ぶりです。
ゲームの舞台は近未来のニューイングランド(実在します)。何らかの原因で街がゾンビだらけとなり、"あなた"は軍の保護あるいは自らの足で町外れのシェルターに連れて行かれます。そこには他の生存者たちもいましたが、いずれ戻ると言った軍の人たちは戻ってきませんでした。
やがてシェルター内の物資が無くなるに従って1人、また1人と生存者たちはシェルターから旅立っていき、最終的に"あなた"もシェルターから出ていく事になります。DarkDaysAhead(暗黒の未来に向かって)
というお話。
シェルターから出た後は、特にストーリーや目的は設けられません。
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何をしても自由ですが、まぁ序盤は食料や安全な場所の確保に追われる事でしょう。
【システム】
■世界生成:
舞台となるニューイングランドの設定を行えます。
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例えば、
・街の大きさ・・・0から16の間で設定。最大の16にしても小さい町が作られる事もありますが、10以上でも1日ではまわりきれないくらいの巨大な街が作られやすいです。0にすると街や道路が生成されなくなります。
・City Spacing・・・街から街への距離。6以上にすると道路を走っても街がなかなか見つからなくなりますが、自然を堪能するプレイには最適です。
・モンスター出現率・・・ゾンビや他モンスターの出現率。最大は50.0ですが、6.0以上辺りからもうゾンビの群れに対応しきれずに飲み込まれる事が多いです。
・アイテム出現率・・・デフォルトの1.0でもかなりの量のアイテムが手に入ります。個人的には0.5くらいが不足気味一歩手前のバランスでちょうどいい。最大は10.0ですが、2.5以上辺りからそこら中にアイテムが散らばって見栄えが悪くなります。
・季節の長さ・・・CataclysmDDAには四季の概念があり、デフォルトでは14日ごとに春夏秋冬と季節が移り変わり、現実のニューイングランドと同じように寒暖が激しくなり、また周囲の森からは様々な自然の恵みが手に入ります。最大は127日で、季節の長さを長くするほど体温調節や保存食の重要性が増します。
などなど、あなた好みのゾンビサバイバルの世界を作る事ができます。
また、CataclysmDDAは近年のゲームの例にもれずMODが非常に盛んでかつ非常に作りやすく、デフォルトでも様々な人気MODが梱包されています。
一例として、
・恐竜追加MOD・・・アプケラトスやティラノサウルスなど、大人しい草食竜から凶悪な肉食竜までの恐竜を追加します。草食竜は良い食料になるでしょうが、肉食竜はあなたを良い食料にするでしょう。
・動物型ロボット追加MOD・・・経営破綻したピザ屋と、その店内を徘徊する動物型ロボットを追加します。元ネタはあの有名なFive Nights at Freddy's。装備の揃わない序盤にあのマスコット達に出会ったら、出来る事は祈る事と数歩走ることだけです。
・アルカナと魔道具追加MOD・・・魔法のスクロールやポーション、マジックアイテムの概念を追加します。このゲーム、序盤からクトゥルフ神話の怪物とか出てくるし、魔女や魔法使いの職業もあったりするので、もう何でもありです。
・架空武器削除MOD・・・MODは追加だけではありません。自分の考えるゾンビサバイバルの世界観にふさわしくないものはMODによって削除することができます。
・真菌人削除MOD・・・CataclysmDDAにはユニークなモンスターが様々に登場しますが、中には人によってゲームプレイに支障をきたすレベルで厄介なモンスターもいます。この真菌人はそんな厄介モンスターの1つで、ほっとくと世界中を菌床で埋め尽くしてしまう上に効果的な殲滅方法が無い強敵です。
・ゾンビ低速化MOD・・・ゾンビの移動速度を人間の歩行以下にします。ゲームバランス的にはかなり優しくなりますが、個人的にのろいゾンビの方が好きなのでいつも入れてます。油断するとこれでも危険な目に会いますが。
・ゾンビ高速化MOD・・・ゾンビの移動速度を人間の歩行以上にします。近年の走るゾンビが好きな方に。
・技能値を元に能力値を変動するMOD・・・スキル値が上昇すると能力値も上昇するようになります。能力値1の恩恵が大きい本作では強力なMODです。
■キャラクター作成
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もう何でもありです。
キャラクターの職業や特徴、初期スキルはポイントの振り分けによって決めることができます。もちろん、有利な特徴ほどポイントの消費が大きいですが、あえて不利な特徴、例えばNPCに対して嘘がつけなくなる「正直者」や、野菜類を食べると気分が悪くなる「野菜嫌い」などを取得する事で、振り分けられるポイントを増やす事もできます。
【ゲームプレイ】
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CataclysmDDAの特徴として、管理しなければならないパラメータの多さが挙げられます。基本的には空腹と渇き、HPだけを気にしていれば問題ありませんが、
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・苦痛の概念・・・プレイヤーはダメージを受けるとHPが減る他に苦痛のパラメータが増えます。これが増えてくると行動速度が遅くなったり能力値が下がったりと色々致命的な効果が現れてきます。痛覚耐性や被虐的嗜好の特徴や、アスピリンやモルヒネなどの鎮痛剤で解消できます。
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・集中力の概念・・・戦闘能力や読書によるスキル勉強速度など様々な行動の効率に影響します。意欲が高いほど集中力が早く回復するようになるため、常に高く維持しておく価値があります。長時間の仕事の合間にはお酒やタバコで一服を。
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・動作制限の概念・・・服や防具には動きやすさのパラメータがあります。服の重ね着で体温を確保したり防御力を上げることもできますが、その分動きづらくもなり、命中率や回避率にペナルティが発生します。
などなど。上手く管理すれば色々ボーナスがついて探索を有利に進めることができますが、どれも無茶をしなければペナルティにはならない要素です。健康な食事と適切な服装を取り、ダメージを受けたら無理せず撤退するように心がければ生存確率を大きく上げることができます。、
【戦闘】
RPGの華である戦闘。ゾンビサバイバルであるCataclysmDDAでは様々な攻撃手段があり、ゾンビたちとの戦闘を楽しむ事ができます。
以下のスキルカテゴリごとに非常に多彩な武器があり、スキルレベルを上げると命中率が上がっていきます。
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【サバイバル】
CataclysmDDAにおいて、驚異となるのはゾンビや怪物だけではありません。多くのゾンビ映画にあるように、「安全な場所の確保、安全な飲食物の確保、武器の確保」が必要となり、さらに長期的な生存を目指すのであれば「移動手段の確保、地理情報の確保、生産技術の確保」が必要になってきます。
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プレイヤーはあまり荷物を持ち運ぶことができません。また、疲れてきたら睡眠をとる必要がありますし、その際は地面よりベンチの方が、ベンチよりベッドの方が早く眠れます。夜になると取れる行動も制限されるため、物資を安全に置けて安全にその日を眠れる場所の確保が第一に重要となります。ゾンビを掃討した後の民家が第一の拠点になるでしょうが、寝具が揃ってくれば車の中やお店のベンチ、森の中で眠ることも可能になります。
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CataclysmDDAのゾンビは普通にダメージを与える事で倒すことができますが、そのままにしていると死体として残り、やがて起き上がって再び襲いかかってきます。これを防ぐには解体性能を持つ道具、例えばナイフや斧で死体を分解する必要があります。この設定は世界を生成する際にオンオフの切り替えができます。タフなゾンビと戯れるためにオンにしてもよし、いちいち解体する手間を省くためにオフにして快適にプレイするのもよしです。
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CataclysmDDAではリンゴやカボチャなどの食材に始まり、カレーやマカロニチーズなどの料理、TVディナーや冷凍ホットドッグなどの即席料理など非常に豊富な食料が存在します。しかしその多くが腐りやすく、やがて食中毒を引き起こすようになってしまいます。保存の効く食べ物を集めたり作ったり、あるいは森へ出掛けて果物や山菜を集めたり、鹿や兎を狩って食肉を確保していく必要があります。サバイバルスキルが上がってくれば、タンポポやドングリを上質な料理にすることもできます。
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綺麗な水に始まり、フレッシュジュースやお酒など、飲み物も非常に数多く存在します。食べ物同様、腐りやすいジュースも多いですが、飲み物の場合はその辺の池や川、トイレのシンクタンクから補充が可能です。ただし生水はそのまま飲むと食中毒を起こすため、焚き火やホットプレートで煮沸する必要があります。また、液体類はペットボトルやジェリカンなどの容器に入れないとアイテムとして持ち運べません。食料雑貨店などで手に入る牛乳は大抵腐っていますが、3.8リットルも入るガロンジャグの容器に入っているため、中身を棄てて新しい液体を持ち運ぶのによく使われます。
・安全な飲食物の確保:治療薬
飲食とは少し違いますが、怪我や病気を治す手段もできれば確保するべきです。CataclysmDDAでは頭/胴体/右腕/左腕/右足/左足の部位ごとにHPが設定され、それぞれ防具で守ることができます。頭か胴体のHPが0になると死亡しますが、他の部位もHPが0になると移動や筋力にペナルティが発生し、通常の手段では回復できなくなるため、HPの残量には常に注意する必要があります。HPは睡眠を取ればゆっくりと回復する他、包帯や救急箱、消毒薬などの一部の薬品で回復できます。睡眠は一度に全ての部位を、薬品は1つの部位を回復させます。ゾンビの噛みつきは感染や出血を引き起こす事もあり、その場合は消毒薬や包帯などで治療して置かないと致命的なダメージを引き起こす可能性があります。
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CataclysmDDAでは安全な場所も物資が置いてある場所も大体ゾンビがいるため、それらを確保するために、まずはゾンビを排除するための手段を用意する必要があります。刑事やSWAT隊員を職業に選んでいれば、最初からハンドガンやサブマシンガンを入手する事ができますし、不良少年が持っているスリングショットは再序盤ではかなり使いやすい遠距離武器です。何も武器が無くとも、靴下さえはいていればその辺の石を中に詰めて武器にすることもできます。シェルターで開始した場合、近くの石を拾ってきて金属製のロッカーを殴って壊してパイプを入手し、石をハンマー代わりにしてパイプを簡易バールにするところまでがテンプレの1つです。
【グラフィック】
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人によってはこの方がわかりやすく見やすい、という方も多いです。
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【サウンド】
CataclysmDDAの開発版では効果音が実装され、多くの行動に音が当てられています。音楽も効果音も無いのがデフォルトなこの手のフリーゲームでは、かなり豪勢な仕様です。特に銃声は口径ごとに別々の音が用意されています。サウンドはoggファイルで作成されており、設定はテキストで簡単に編集できるので、オリジナルの効果音を導入するのも難しくはないでしょう。
【乗り物】
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【こんな人にオススメ】
・ゾンビ映画が好きな方
・ゾンビゲームが好きな方
・終末世界が好きな方
・サバイバル要素の強いゲームを求めている方
・自由度の高いゲームを求めている方
・キーボードによる尋常でない数の操作キーによるプレイが苦にならない方。
自分好みの終末世界を作って遊べる、ホント面白いゲームです。